膀胱炎の検査方法

膀胱炎の診断には、尿の中に菌がいるかどうか?白血球があるかどうかを調べます。
最も基本的な検査方法は尿検査です。
尿検査の尿は出始めの尿よりも中間の尿を取ります。
出始めの尿には、尿以外のもの(おりものなど)が、混入しやすいからです。
場合によっては導尿をすることもあります。
導尿とは、尿道にカテーテルをいれて尿を採ることです。
この方法なら、膀胱内の尿を直に取れるので、正確な検査結果が得られます。

尿検査には尿定性検査と尿沈渣の二つの方法があります。
尿定性検査は所要時間は長くても30分で検査器具も非常に簡易な方法です。
pH値、比重、蛋白、ブドウ糖、潜血反応、白血球、ケトン体、ビリルビン、亜硝酸塩等、非常に多くのことを調べることができます。
膀胱炎の診断に役に立つのは、pH・白血球・亜硝酸塩・潜血反応です。
これらの項目で陽性が出れば膀胱炎を疑います。
ただし、尿定性検査の結果は正確さは少し劣ります。
これだけで膀胱炎だと確定させてしまうのは不安な面もあるのです。

尿沈渣検査は、赤血球、白血球、細胞成分、細菌等を調べることができます。
この2種類の検査に加えて細菌のくわしい内容を調べるためには、細菌検査をします。
細菌検査には、尿の塗抹検査と培養検査の二つの方法があります。
これらの検査結果と患者の自覚症状である、頻尿、残尿感、排尿痛などを確認して膀胱炎かどうか診断されます。

一般的には結果が早くわかる塗抹検査を先に行います。
塗抹検査は、検体をスライドガラスに塗って顕微鏡で観察する検査です。
30分もしないうちに結果が分かります。
その検査結果によって、菌のおおよその内容が分かれば、その菌に対抗する力強い抗菌剤を選びます。
その後、培養検査を行いますが、培養検査の結果は数日後に出ることになります。
培養検査では、菌を培養することによって、菌の種類を細かく知ることができます。
この検査結果によっては抗菌剤の種類を変えることもあります。

抗菌剤の治療をしても、何度も再発を繰り返す場合には、他の疾患を疑います。
膀胱炎の再発の原因になる疾患を調べるためには血液の細菌検査をします。
血液の細菌検査も塗抹検査と培養検査があります。
しかし、血液の場合にはあまり塗抹検査を行いません。
培養検査によって、詳しい検査結果を得て、膀胱炎に原因になる疾患がないかを確認するのです。
膀胱炎以外の感染症、膠原病、糖尿病などの重要な疾患が見つかることも少なくありません。