ジメジメした季節は細菌に注意を

季節で注意したい細菌

厚生労働省の発表によると5月~10月頃にかけての季節は、細菌による食中毒の発生件数が多いことがわかります。
ジメジメしたむし暑い季節は細菌が増えやすいため、食あたりなどお腹のトラブルを起こしやすい時期です。
しかし、最近では冬場の季節でも発生件数が増えていて、これはノロウイルスなどの細菌が原因で起こる食中毒で、夏以外の季節も注意が必要と言えます。
また、食中毒が多発する初夏から初秋にかけての季節は、下痢などの症状を引き起こす病原性大腸菌にも注意が必要です。
ただ大腸菌は家畜や人の腸内に存在している細菌で、そのほとんどは害がありません。
しかし、中には人に害を与えることがありますし、膀胱炎は大腸菌などの腸内細菌の感染で発症するのです。

大腸菌の感染で起こる膀胱炎

感染性膀胱炎は膀胱の粘膜に炎症がおこる病気で、急性単純性膀胱炎と慢性複雑性膀胱炎があって、他に薬剤性・異物性・放射線性などの非感染性膀胱炎もあります。
その中でも急性単純性膀胱炎は、尿路感染症の中で約半数を占める頻度の高い疾患で、特に10~40歳代の女性に多いです。
その理由のひとつは、女性の尿道の長さが約3~4cm程度と短くて、外尿道口と膣や肛門が近い体の構造から、大腸菌などの細菌が尿道・膀胱に入りやすくなることが考えられます。

主な症状は、昼夜に関係なく頻繁にトイレに行くようになる頻尿、排尿終了時に強い痛みを感じたり排尿後も痛みが残ったりする排尿痛です。
また、一度尿意を催すとそれをなかなか我慢できない尿意切迫感や、肉眼で見てもわかるくらい尿が白っぽく濁る尿混濁もありますし、尿の中に血が混じることもあります。
それから、高熱や腰痛を伴う場合もあって、この場合は腎盂腎炎を合併している可能性が考えられるので、早急に泌尿器科で診察を受けることが大切です。

治療としては抗菌薬の服用が大切で、抗菌薬を2~3日程度服用すると症状はほとんど消えていきます。
また水分を多く摂取して頻繁に排尿すると、尿で膀胱内の細菌を洗い流すため膀胱炎が早く治るのです。
アルコールなどの刺激物を控える、下腹部を冷やさないようにするなども、膀胱炎を悪化させないために必要なことになります。
膀胱炎は日常よくみられる病気ですが再発をくり返す時には、男性では前立腺肥大症・前立腺癌、女性なら子宮筋腫などの婦人科系の病気や膀胱がんなどが隠れていることもあるのです。
再発をくり返す時には、泌尿器科の医師に相談することをおすすめします。