トイレを我慢して膀胱炎になる?

膀胱炎は、体の構造上女性がかかりやすい病気です。
その上に、日本では女性が膀胱炎にかかりやすい習慣的な事情があります。
日本では、女性が生理的な現象をあまり表に出さない習慣があります。

欧米の映画などを見ていると、ヒロインが、しっかり鼻をかむ場面をよく見かけます。
でも、日本ではそういった場面を描く映画もドラマもありません。
同じように、女性が尿意を伝えにくい環境がありました。
トイレを我慢する女性がとても多かったのです。
実は、トイレを我慢すると膀胱炎にかかりやすいのです。

若い世代の女性はそういった傾向は少なくなりましたが中高年以上になると、まだ、そういう習慣を持つ女性は数多いのが現状です。
中高年以上になると膀胱の機能の低下や免疫力の低下など膀胱炎のリスクは高くなっています。
それに、加えてトイレを我慢することでますます膀胱炎にかかりやすくなってしまいます。
最近は習慣的な事情よりはむしろ、仕事上の都合や外出先のトイレ事情のために我慢してしまうことがあります。

なぜ、トイレを我慢すると膀胱炎にかかりやすいのでしょうか?
トイレを我慢すると、膀胱には尿がたくさんたまって膀胱が膨れて伸び切ってしまいます。
この状態で排尿すると、膀胱が一気に縮んで大きな刺激になります。
こういうことを何度か繰り返すことが毎日の習慣になると、膀胱には大きな負担になり、免疫力が低下してしまうのです。
また、尿を長時間膀胱に貯めることになるので尿の成分の濃度が濃くなってしまいます。
これ自体尿道口などには刺激になります。
また、細菌の増殖も進むので膀胱炎をおこしやすくなります。

尿は、尿道口を洗い流す役目を持っています。
排尿の回数が少ないと尿道口を洗う回数も減ることになります。
適当な間隔で尿を出すことが大切なのです。
人によっては、トイレ回数を減らすために水分を摂るのを減らす人もあります。
しかし、これは、体内で水分不足を起こすばかりか、尿道口付近の細菌の繁殖を加速させて膀胱炎の原因になってしまいます。
水分は、多少大目に摂った方が膀胱炎にかかりにくいのです。
基本的には、少し多めに水分を取って、我慢することなくトイレに行くことが膀胱炎の予防になります。

外出や会議など、トイレに行き難い状態になるときには事前にトイレに行っておきましょう。
また、遠出をするときには、事前にトイレのある場所を確認して、トイレタイムを取れるように時間的な余裕をもった計画を立てましょう。