膀胱炎になりやすい体質とは?

膀胱炎は女性に多い病気ですが、ほとんどの場合は抗菌剤で完治します。
ところが、時々なかなか完治しない、いったん治ってもすぐかかってしまう人がいます。
このような場合は、膀胱炎になりやすい体質が考えられます。

膀胱炎になりやすい体質でまず挙げられるのが冷え性です。
細菌は体温が低いと繁殖しやすくなります。
そのため冷え性になると感染症にかかりやすくなります。
その傾向が最も顕著に表れる器官が膀胱なのです。

冷え性を改善することは膀胱炎の予防にはとても有効です。
まずは、体を温めるだけのエネルギーを蓄えることが大切です。
栄養バランスのいい食事を充分に取ること、睡眠を十分にとることが大切です。
特に、冷え性の場合には入眠に時間がかかる人が多いものです。
入浴は体が温まって血行を良くすると同時に、入眠をスムーズにする効果もあります。
また、運動不足も冷え性の原因になります。
適度な運動をして血行を良くしましょう。

便秘症の人も膀胱炎になりやすいといわれています。
便秘になると腸の中で便がたまります。
すると、便の中の大腸菌が増えてしまうのです。
排便時は誰しも膀胱炎リスクが高まりますが、便秘症の人の排便時には膀胱炎リスクが非常に高くなってしまうのです。

その他にも閉経すると膀胱炎にかかりやすい体質になるといわれています。
閉経前の女性の膣内にはデーデルライン桿菌という細菌がいます。
この細菌は膣内を酸性にして細菌の繁殖を防いでいます。
ところが、閉経とともデーデルライン桿菌がいなくなって膣内に細菌が繁殖しやすくなります。
このことが原因で膀胱炎になりやすい体質になってしまうのです。

冷えや便秘を改善するのに欠かせないのが食事です。
ダイエットなどで、食事の量を減らしすぎると、体力不足で体が冷えると同時に、便の量が少なくなって便秘の原因になってしまいます。
栄養バランスのいい食事は肥満を防ぎながら便秘や冷えも防いでくれます。
水分を充分に摂ることは尿を増やすと同時に便を柔らかくするのにも役立ちます。
尿の量と便の量を増やすので膀胱炎のリスクを軽減するのです。
また適度な運動をすることは体の血行を良くするので、腸や膀胱の機能を適正にます。
入浴も体の血行を良くするので便秘や冷えの改善に効果があります。

注意したいのは、一度膀胱炎にかかって治療を受けたときに抗菌剤の飲み方です。
症状が治まったからと言って、すぐに服薬をやめてしまうと、その後、膀胱炎にかかりやすい体質を作ってしまいます。
膀胱炎の症状が治まっても膀胱の中に菌は残っています。
この菌が抗菌剤に対して耐性を持ってしまうのです。
すると、しばらくしてから再発して以前よりもしつこい膀胱炎にかかってしまいます。
膀胱炎にかかった場合には、処方された抗菌剤は医師の指示通りきちんと飲んで強い菌を生き残らせないようにすることが大切です。